矢沢陽介

矢沢陽介

データの民主化成功のカギを握る「セキュアとデモクラティックの両立」を読み解く

社内のデータを活用し、ビジネスアイディアを実現させ、イノベーションの創出をするために本当に必要なことは何でしょうか。データのセキュリティを担保しつつ、全社員に開放し、データが最大限に活用される基盤を実現するための勘所について、三菱総研DCS テクノロジー事業本部 データテクノロジー部長 矢沢陽介氏が解説します。

Updated by Yosuke Yazawa on August, 4, 2023, 5:00 am JST

「データの民主化」はDXの文脈で語られる

企業において「データの民主化」というキーワードはDXの文脈で語られます。そもそもDXとは何でしょうか。DXとは単なるIT投資ではなく、経営・基盤・文化の変革です。DXは単なるICT化、IT導入といったものではなく、最終的には経営や企業文化の変革を目指すために実施するものです。つまりは経営者の意識行動変革、組織体制、企業運営制度の変革、従業員の意識行動変革のことですが、組織の体制や、企業の運営、仕事の仕方までを含んでいます。

ここで企業のDXの推進状況を確認してみたいと思います。というのも、すでにある企業において競争優位性が保たれているのであれば「DXは不要では?」と言われたり「少し動いてはみたものの上手くいかない」という声がよく聞こえるからです。アンケートを実施して調べてみますと、やはり企業の9割が未着手、もしくは散発的な実施にとどまっているということが明らかになりました。

一方で、コロナ禍により人々の価値観が変化し、多くの企業でテレワークが導入されるなど、デジタルビジネスへの移行は急速に進みました。印鑑の使用、対面での打ち合わせ、常駐勤務など、これまで企業が頑なに守ってきた企業文化は外的要因で強制的に一部DX化させられたのです。素早く変革する、継続して変わっていくという点は、DXの一つの本質です。

DXに取り組むことになれば、企業はビジネス戦略を素早くシステムに反映し、デジタルでの業務の改革を行うことになります。そのシステムで発生した結果、つまりデータを集めて分析し、戦略に反映していくわけです。ここでのポイントは、このサイクルをいかに迅速にしていくかということにあります。そのために、システムには柔軟性のほか、溜まりゆくデータに対応できる拡張性が必要です。このようなポイントを実現してこそ、真にDXに対応できる企業になっていきます。