DXで未来を拓く 先駆者たちの現在地 

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(写真:OneLineStock.com / shutterstock

マルチクラウド環境の普及でIDやアクセスポリシーの可視性・制御が危機的に(Strata Identity調査)

IDオーケストレーション・プラットフォームを手がける米Strata Identityは先ごろ、マルチクラウド環境におけるID管理の課題と優先事項に関する最新レポート「State of Multi-Cloud Identity Report 2023」をリリースした。Osterman Researchが実施したこの調査では、企業の4分の3以上が複数のクラウドにまたがるアクセスポリシーやアプリケーションの配置状況について把握できていないことが明らかになっている。

Updated by DX Laboratory on September, 6, 2023, 6:00 am JST

この調査は、年間売上高が1億ドル(約146億円)を超える北米企業のITリーダーおよび意思決定者308人を対象に実施。この中では、単一のクラウドIDプロバイダー(IDP)を利用している企業の割合は前年比10%減の20%となり、約80%の企業が複数のクラウドIDPを利用していた。このような状況で、企業のクラウドセキュリティ上の懸念事項のトップ3には「アクセスポリシーの可視性の欠如」(67%)、「IDベースの脅威」(65%)、「データプライバシー規制への準拠」(56%)が挙がったとのこと。特に、最大の懸念事項となっているアクセスポリシーの可視性については、複数のクラウドにまたがるアクセスポリシーやアプリケーションについて「どのアクセスポリシーが存在するか、アプリがどこに配置されているか、アクセス権を持つ社員が誰か」といった状況を把握している企業の割合はわずか24%であったという。

Osterman Researchの主席アナリストであるMichael Sampson氏は「より多くのIDシステムがユーザー管理に使用されるようになる中で、組織はIDやアクセスポリシーに関する可視性や制御を失いつつあります」とし、「企業はアプリがどこにホストされているのか、誰がデータにアクセスできるのかを把握していません。マルチクラウドの急速な普及は、この問題を危機的な状況にまで高めています」とコメントしている。

参照リンク
Only 24% of enterprises know where cloud apps are and who has access
Strata Identity Study Reveals Fragmented Access Policies are Top Security Concern for Multi-Cloud Enterprises | Business Wire