大川祥子

大川祥子

1972年ごろ撮影。ギリシャの田舎。当時日本人は非常に珍しく、行く先々で写真家は村人に取り囲まれ、家へ招待された。冷蔵庫の中を見せられて「何が食べたいか」と聞かれることもあったという。

パラダイム変革が起こる時は、世界自体も共に変革を受ける

2022年1月24日、Modern Timesが創刊した。
前年11月29日からはプレオープンの状態で、科学哲学者の村上陽一郎氏、メディア史研究者の佐藤卓己氏、Neutrix Cloud Japan社CTOの髙橋信久氏の記事を週1本のペースで公開してきたが、これからは平日1本ずつ記事を公開していく。

Updated by Shoko Ohkawa on January, 24, 2022, 0:10 pm JST

Modern Timesが取り扱うのは基本的には未来志向な論考である。
これから先、世界ではDX化が進むと言われている。すでにご存知の方が多いようにDX(Digital Transformation / デジタルトランスフォーメーション)とはデジタルによる変革と訳することができ、基本的にはIT技術が人々の生活をより良いものに変えていくことを指すとされている。

しかし当然ながら何が「良い」のかは人によって差があるもので、誰かの便利は他の誰かに負担であることもある。実際、監視社会とプライバシーの保護は天秤にかけられるのか、環境負荷が日々議題にあがるなかで人は自由な移動を続けていてもいいのか、AIの導入と雇用の確保はバランスできるかなど、未来へと歩みを進めるときには多数のジレンマを抱えていかなくてはならない(ほとんどの問題はポリレンマなのかもしれないが)。
つまりDX化を進めていくために最も大切なことは、人類が選びたい未来を思い描くための力を養うことなのである。AIで最適化された合理的な答えは、現在完了で得た解でしかない。

だからModern Timesは、DX化される未来を一人ひとりが思い描いていけるようなヒントとなる論考を提供していこうと考えている。それはSDGsを推し進めたり、ジェンダーギャップ等の格差を解消したり、温暖化問題を解決したりするためだけのものではない。すでに是非の白黒がついている出来事についてさらにその思いを深めるための情報がほしいのであれば、他のメディアをあたっていただく方がいいと思う。
Modern Timesではそうではなく、まだ世間では認識されていない論点を掘り起こしたり、すでに「是」とされたものや「非」とされたものを、一歩引いて見たり、裏側からのぞいてみたりすることで、新しい物事の見方や、それを発見するための技術を提示したい。

すでに定義されたと思っていたことがひっくり返されることはときに不快感を伴う。まだ新しい事象を取り扱っている論考には反論したいことも出てくるだろう。そんなときは論点をまとめてぜひinfo@moderntimes.tvまで連絡してほしい。それが未来志向な内容であり読む人に価値をもたらすものであると編集部が判断すれば、Modern Timesは原稿料を用意し、新しい論考を発表する機会を提供する。
一方で優れた論考に対しては大きな拍手を送っていただけるとありがたい。SNSでつぶやいていただいてもいいし、info@moderntimes.tvまでメールをしていただいてもかまわない(内容は編集長のTwitterアカウントで紹介することをご了承いただきたい)。
いかに優れたアイディアであっても、オンライン上に掲載された論考である以上、皆で認知していかなくては、あっという間に電子の海に飲まれてしまうだろう。言論の場を維持していくためには皆さんのご協力が不可欠である。

Modern TimesはNeutrix Cloud Japan社のサポートのもと創刊した。Neutrix Cloud Japan社は超大型クラウドサーバーを運営している。データの主権を守りながら、企業の未来の価値を高める国産のクラウドサーバーは、DX化される社会において大きな役割を果たすに違いない。よってNeutrix Cloud Japanに関連する人物が、当メディアには識者の形で登場する。

写真は、半世紀以上にわたり世界を飛び回って優れた作品を発表し続けた写真家・佐藤秀明氏の協力を得て掲載している。本文の内容と写真の内容はほとんどにおいて無関係であるだが、一緒に見てみることで新しい発見があるだろう。
佐藤氏の写真は絵葉書のようなメールマガジンでもお届けするので、ぜひHTMLメールが受信できる環境で登録してほしい。

能書きを垂れたが、Modern Timesが最も大切にしていることは皆さんの知的好奇心を刺激することである。ぜひ、楽しんで記事を読んでほしいと願う。