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(写真:Prostock-studio / shutterstock

データの利活用を再考する

過去のデータには、未来の選択をよりよくするための情報が隠れている。一方で、データは客観的な事実を網羅しているとは限らず、得るためにはリスクもあり、常に未来予測に役立つとは限らない。データの正の面と負の面を知り、そして活用方法を再考してみよう。

Updated by on April, 15, 2024, 5:00 am JST

データは過去の状況を浮かび上がらせる

JRA-55には、過去の気象観測データを基にして現在のスーパーコンピュータを使って当時の気象状況を再現したデータが格納されている。これを生かすことで、将来の山岳事故を回避できるかもしれない。実際に、山岳防災気象予報士の大矢康裕氏はJRA-55を使って、過去の山岳遭難事故の起こったときの気象条件や遭難の原因を読み解き、防災情報として提供している。
〈参考記事〉過去の気象解析データで山岳事故をなくせ。雷の知識不足が犠牲者を生んだ「2002年8月2日塩見岳落雷事故」の気象データを読む

データは「空白」を出現させ、新たな気づきを提供する

データが「ない」こともまた重要な情報である。あるはずなのに見えない数字、隠されている文字……。見えているものだけが価値あるデータではない。実は、不在のデータに着目したからこそ丸山ワクチンが生まれ、IoTが誕生し、脚気は予防できるようになった。
〈参考記事〉データは「ない」ことによって、大きな価値を生む

データが生み出されたこと自体に「意味」がある

歴史家は過去の膨大な史料から、過去を分析する。しかし、歴史家は史料をデータと呼ぶことは少ない。というのも、歴史家にとってデータとは史料の一部だからである。誰が、どのように、いかなる歴史的背景の中で生み出したデータなのか、その数字が意味することは何なのか。データが生み出されたことそのものを知ることも実は重要なのである
〈参考記事〉歴史家は、データを歴史化する

データを集める際にはリスクが生じることがある

データを取るためには実験が必要なことが少なくない。しかし、それが大きなリスクを孕んでいる場合、実験することは許されるのだろうか。データを集めるためのヒントがここにある。
〈参考記事〉リスクのある「実験」を社会の中で行うべきか

「予測」よりも「過去データ」が役に立つ

よりよい選択をするためには、あえて予測に飛びつかず、過去を振り返ってみる方がいいケースがある。予測のための「先行指標」と、過去の分析をした「遅行指標」の使い分け方を知っておこう。
〈参考記事〉先行指標が含む「空回り」のリスク。遅れてやってくる指標の利点を見落とすな

ネガティブなデータは役立てにくい?

心理学は人の心の動きをデータから読み解いている。なかには、決して認めたくはない「不都合な真実」も少なくない。しかも、人は失敗からは学べないのだという。自分や組織をよりよい方向へ導きたいのであれば、データからポジティブなフィードバックを得るといいのかもしれない。
〈参考記事〉人は失敗からは学べない?