「二人が風景にぴったり溶け合っているとき、二人は同じ思いを抱いているはずだ。互いのことを思っているかもしれない し、美しい景色に心を奪われているのかもしれない。共通の記憶を思い出していることもあるだろう」
「どんなに美しい風景のなかにあっても、そこにいる二人が別々のことを考えているときはなぜだか絵にならない。私は、風景に溶け合っている二人がいたらすぐにファインダーを覗く。『これはいい写真になるだろう』と思っていると間に合わない。二人が同じことを思っているその瞬間にしかチャンスはないのだ」
「複製が容易になった現代では他人を撮ることは難しくなったが、人を撮ることほど面白いことは他にない」