佐藤秀明

佐藤秀明

アラスカの夏。釣りに来た夫婦のひと休み。6月から7月は日照時間は20時間ほどになる。

(写真:佐藤秀明

「二人の時間」を写す

写真家・佐藤秀明氏が半世紀以上にわたり、世界中で撮影した作品群のなかから今回は「二人の時間」をテーマにした作品を紹介しよう。世界のどこで写されたものであっても、静かに語り合う者たちの背中は似通っている。

Updated by Hideaki Sato on February, 10, 2022, 8:50 am JST
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2000年ごろ撮影。ハワイのマウイ島にて。川の流れを見ている二人。ハワイにはこのような渓流がいくつもある。
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1975年ごろ撮影。ニューヨークのセントラルパークにて。陽気に笑いながら話をする二人。
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フィンランドのヘルシンキにて。気温は氷点下5℃くらい。杖をつき支え合いながら歩く二人。
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2021年撮影。調布飛行場の滑走路を見下ろす二人。空には月が出ていた。

「二人が風景にぴったり溶け合っているとき、二人は同じ思いを抱いているはずだ。互いのことを思っているかもしれないし、美しい景色に心を奪われているのかもしれない。共通の記憶を思い出していることもあるだろう」

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1990年代撮影。中国の西安。現在はさらに高層ビル群がひしめき合っている。

「どんなに美しい風景のなかにあっても、そこにいる二人が別々のことを考えているときはなぜだか絵にならない。私は、風景に溶け合っている二人がいたらすぐにファインダーを覗く。『これはいい写真になるだろう』と思っていると間に合わない。二人が同じことを思っているその瞬間にしかチャンスはないのだ」

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2017年撮影。奥秩父にて。夏の暑い日、岩に腰掛けて足を水に浸す二人。
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1990年ごろ撮影。ハワイのモロカイ島にて。観光客が少なく静かな島だった。かつてハンセン病患者を強制隔離するカウラパパ療養所のあった島である。
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1980年ごろ撮影。ハワイのオワフ島・ヨコハマベイ。ハワイへ移住した日本人たちがこの地で釣りをしていたことからこの名がついたといわれている。
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1970年代。オーストラリアにて撮影。
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1980年代初頭に撮影。バンクーバーの夏。入り江から対岸を眺める二人。
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1990年代撮影。ハワイのワイキキ近く。風が吹き抜ける爽やかな場所にいる二人。
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カナダのユーコン川を眺める二人。ユーコン川はカナダからアラスカを通ってベーリング海へと流れる。とくにカナダのホワイトホースからドーソン・シティまでの間は川下りの人気エリアで、ヨーロッパの人々がよく旅をしている。写っている二人は2週間をかけて700キロの旅をしたという。
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マルケサス諸島にて。沖に停泊している船で観光に訪れた二人。

「複製が容易になった現代では他人を撮ることは難しくなったが、人を撮ることほど面白いことは他にない」

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カルフォルニアにて。