Modern Times編集部

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(写真:Macrovector / shutterstock

クラウド接続ストレージ(Cloud Direct Connect)

クラウド接続ストレージ(Cloud Direct Connect)とは、パブリッククラウドやプライベートクラウドに専用回線で接続し、セキュリティとパフォーマンスを確保しながら、データの蓄積を担うストレージのことです。詳細を解説します。

Updated by Modern Times on October, 5, 2022, 5:00 am JST

クラウド接続ストレージとは、複数のパブリッククラウドのサービスや企業が自前で構築したプライベートクラウドに対して、専用回線で接続してセキュリティとパフォーマンスを確保しながらデータの蓄積を担うストレージを指します。

クラウドに接続してストレージ機能を提供するため、クラウド接続ストレージの名称が付けられています。
同様のストレージの概念を、クラウドダイレクトコネクト(Cloud Direct Connect)と呼ぶこともあります。

クラウド接続ストレージを使うことで、パブリッククラウドやプライベートクラウドが提供するコンピューティングの機能と、データを蓄積するストレージの機能を分離できるようになります。
これにより、複数のパブリッククラウドやプライベートクラウドと、単一のクラウド接続ストレージをつなぐことも可能になります。

また、パブリッククラウド内のストレージにあったデータを外部に持ち出すことができ、クラウド事業者が外部へ持ち出す際に多額の転送料をかけることでユーザーのデータを囲い込む「データロックイン」を回避できます。

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データはユーザーに主権があるものであり、パブリッククラウド事業者に囲い込まれて外部での利用を実質的に制限されてしまうような事態は避けたいものです。

パブリッククラウド事業者のストレージにいったんデータを蓄積してしまうと、より優れたソリューションが他のパブリッククラウド事業者にあったとしても、データを移行するためには多額の費用が発生するため、活用が難しくなります。一方で、中立的な立場にあるクラウド接続ストレージにデータを蓄積し、各パブリッククラウド事業者と接続する形態をとれば、データを案件ごとに最適なクラウドで処理できるといった自由度が高まるのです。

オンラインストレージとはセキュリティ、パフォーマンスで差異

クラウド接続ストレージという名称を聞いたとき、データを蓄積するクラウドサービス、すなわち「オンラインストレージ」を思い浮かべる方も少なくないでしょう。
オンラインストレージとは、クラウド側にストレージを用意して、ユーザーはインターネット越しにVPN(仮想閉域網)などを使って暗号化した状態でアクセスしてデータを利用するサービスです。
個人でGoogle DriveやMicrosoft One Driveなどのオンラインストレージを利用している方も多いでしょう。

では、これらのオンラインストレージとクラウド接続ストレージの違いはどこにあるのでしょうか。

差異は、大きく「セキュリティ」と「パフォーマンス」から説明できます。

オンラインストレージでは、インターネットを介して、クラウド側に用意されたストレージにアクセスします。
そのため、たとえ通信を暗号化していても、不特定多数が利用するインターネットを介することによるセキュリティリスクはゼロにはなりません。また、インターネットというベストエフォート型のネットワークを経由するため、データへのアクセス時の性能にも制約があります。さらに、オンプレミスやパブリッククラウドで提供されるような、低い遅延や高いIOPS(入出力性能)を得ることはできません。そのため、データ蓄積の用途としては、中長期的に安価にデータをバックアップするBCP(事業継続計画)/DR(災害復旧)のためにとどまります。

一方、クラウド接続ストレージは、インターネットを介さず、各パブリッククラウドとの間を専用回線で結びます。クラウド接続ストレージのサービスによっては、パブリッククラウド事業者のデータセンター内にストレージを設置し、物理的に近い環境で専用回線によって接続することで、遅延を低減したり、IOPS性能を高めたりしているものもあります。パブリッククラウド事業者のストレージと同等か、それ以上のパフォーマンスが得られるサービスもあり、セキュリティ面と併せて幅広い用途にクラウド接続ストレージを利用できるのです。

安全で高性能なクラウド接続ストレージを提供

クラウド接続ストレージ、クラウドダイレクトコネクトの範疇に含まれるストレージサービスは、すでに複数のベンダーが提供しています。
いずれも、データロックインの課題を解決するソリューションです。

例えば、日立製作所は「ストレージボリューム提供サービス on Equinix IBX」を提供しています。
Equinix.社のデータセンターを活用し、パブリッククラウドとの高速通信を可能とする高信頼なプライベートクラウド環境を提供します。

三菱総研DCSも「マルチクラウドストレージサービス Dibertas」を提供しています。プライベートデータセンターでデータを1カ所に集約して管理するマルチクラウドストレージサービスです。

Neutrix Cloud Japanが提供する「Neutrix Cloud」も、クラウド接続ストレージの代表的なサービスの1つです。Neutrix Cloudは、イスラエルのINFINIDAT社の技術をベースにして、高性能かつ低コストなクラウド接続ストレージをサービスとして提供しています。

3大パブリッククラウドとの間は、それぞれAWS Direct Connect、Azure ExpressRoute、Google Cloud Interconnectという閉域網接続の仕組みを利用し、安全で高速な接続を実現しています。
こうした接続形態とINFINIDATの技術を用いたストレージの性能により、高いパフォーマンスを実現しています。
アクティブなデータをアクティブに処理できるストレージサービスとして、バックアップ用途だけでなく、データベースなどのリアルタイム処理への用途を広げています。

Neutrix Cloud Japanでは、閉域網接続を可能にするパブリッククラウド事業者を今後さらに増やす予定です。

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Neutrix Cloudは、INFINIDATおよびNeutrix Cloud Japanが開発したソフトウエアを使うことで優位性を確保しています。
INFINIDATの「Neuralキャッシュ」技術は、AIや機械学習により次に読み出されるデータを予測してDRAMにキャッシュすることで、高速なアクセスと低コストを実現します。
またNeutrix Cloud Japanは、独自の技術により、ストレージをマルチテナントでセキュアかつ効率的に提供する機能を提供します。
こうした特色が、クラウド接続ストレージの価値を高め、データロックインを回避したデータ活用のためのインフラを提供することにつながっています。