大川祥子

大川祥子

(写真:Astrid Gast / shutterstock

定点観測:データの民主化とは何ですか?

オンライン上で公開されているテキストデータから学習し、人間が書いたものと見紛うほど自然な言語を生成するchatGPT。その特性を踏まえると、日々さまざまな人が言及しているジャンル、定義が曖昧になりがちなもの、ポジショントークが繰り返されている物事は、chatGPTに質問する時期に応じて異なる答えが提示されるはずだ。そこで月に1回ほどのペースでchatGPTに「データの民主化とは何ですか?」という質問を繰り返し、それがどのように説明されていくのか観察してみたい。

Updated by Shoko Ohkawa on March, 16, 2023, 7:00 pm JST

chatGPT-3の答え(2023年3月16日):


データの民主化とは、データの所有権やアクセス権が一般的な人々に広く分散し、個人や小規模の組織がデータを収集、利用、共有することができるようにすることを指します。これは、大量のデータが巨大企業や政府などの中央集権的な組織に集中することを防ぎ、データの力をより多くの人々が利用できるようにすることを意味しています。

データの民主化には、オープンデータ、データプラットフォーム、ブロックチェーン技術、分散型データネットワークなどの技術的な手法が使用されます。これらの手法を使用することで、個人や小規模な組織がデータを収集、分析、共有することができるようになり、社会全体がより多くのデータを利用して問題を解決し、新しいビジネスチャンスを見つけることができるようになります。

20分後には表現が変わるも内容はほぼ同じ

自己学習アルゴリズムを用いているchatGPTは、過去の回答履歴から学習して次の回答を生成するため、同じ質問に対しても、時間が経過するごとに異なる回答を生成することがある。そのため、この定点観測が本当に意味をなしていくのかは記事制作地点ではわからない。実際に、上記の答えを得た20分後にまったく同じ問いをしたところ、下記のような答えがかえってきた。幸いにもほとんど内容には差がなかった。

chatGPTの答え

検索上位の記事には「企業活動において」という説明

「データの民主化とは」でgoogle検索をすると、検索上位に上がってくる記事の多くに「企業活動においてすべての社員がデータにアクセスでき、データを有効活用できること」という内容のことが書かれている。「個人や小規模の組織がデータを収集、利用、共有することができるようにすることを指します。」というchatGPTの回答とは乖離があるようだ。

【おまけ】AIの民主化とは何ですか?
chatGPT-3の答え(2023年3月16日):

AIの民主化とは、人工知能技術を誰でも容易に利用できるようにし、人工知能が人々の生活や社会の問題を解決する上で、より包括的な意見を集め、より多くの人々が恩恵を受けることができるようにすることを指します。

AIの民主化は、一部のエンジニアや企業だけが利用できる技術ではなく、多様な人々が容易に利用できるようにすることが目的です。これにより、より多くの人々がAIの利用方法を学び、新しいアイデアを生み出すことができ、新しいビジネスモデルやサービスが生まれる可能性があります。

AIの民主化には、次のような取り組みが含まれます。
・オープンソースのAIプラットフォームの提供
・データの共有とオープンアクセスの促進
・AIに関する教育とトレーニングの提供
・AIの技術的偏りや、倫理的な問題に対する取り組みの強化

これらの取り組みにより、より多様な人々がAIを活用できるようになり、AIが社会全体のためにより価値ある貢献をすることができるようになると期待されます。