コロナ禍でのストレスが小さかったホラー映画ファン
実際に、スクリブナー氏は、ホラー映画のファン(特に、ゾンビ、世界滅亡、エイリアン侵略映画のファン)は、新型コロナ状況でもストレスが小さかったことを示しています※3。また、過去にパンデミックものの映画を見たことがある人ほど、そしてその本数が多い人ほど、新型コロナ状況に対する心構えができていたことを報告しています。新型コロナ自体を経験するのは初めてであるにもかかわらず、新型コロナに備えてなにを買っておくべきか早いうちから理解していたり、この先状況がどうなっていくかを事前に予測できていたりしたそうなのです。映画が現実での対処法を教えているというのは面白いですね。
スクリブナー氏は、ホラー映画を観ることで、映画館や自宅という安全な環境で、ネガティブな感情に対処する練習ができるという点も指摘しています。私たちは、スクリーンに映る殺人鬼にドキドキする中で、「安全に」感情調節スキルを磨いているのかもしれないというわけです。
ホラー映画はネタバレしても大丈夫
ところでホラー映画を見るとき、事前に映画の内容について知っておいた方が楽しいのか、知らない方が楽しいのか 、どちらでしょうか。
一般に、物語はネタバレされると楽しくなくなると信じられているのですが、実はホラー映画を見る楽しみや怖さは、ネタバレされたあとでも変わらないという研究があります※4。つまり、ホラー映画を選ぶときには、ネタバレを気にせずに、SNSやCM、映画レビューを参考にして大丈夫そうです。