佐藤秀明

佐藤秀明

世界中で戦う傭兵たちの故郷は、穏やかな笑顔が満ち溢れる場所だった。

(写真:佐藤秀明

世界の戦地を駆けるグルカ兵の故郷

「グルカ兵」は、イギリス陸軍を中心とした数々の軍隊で傭兵として活躍している。小柄ながら敏捷で勇猛なグルカ兵はときに「世界最強の兵士」と呼ばれることがあり、特に山地での身のこなしは他者を圧倒させるという。
写真家の佐藤秀明氏は2016年ごろ、ネパールにあるグルカ兵の故郷を訪ねた。勇猛な兵士たちの故郷は、穏やかで優しさに溢れる場所だったという。

Updated by Hideaki Sato on September, 22, 2022, 5:00 am JST
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グルカ兵の故郷は、首都・カトマンズから車で約6〜7時間移動した先にある。雲海を見下ろす場所にあるが、標高は3,000mに満たないためネパールの村の中では比較的過ごしやすい。

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グルカで育った男性は当たり前のように兵士としての訓練を受け、世界の戦場へと飛び出していく。
そのため村に残るのは女性、老人、子どもたちばかりだ。

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残った人たちばかりで農業をし、生活を切り盛りしなくてはならないため、グルカの人々は働き者である。
子どもたちも学校へ行く前に急峻な坂道を下って水を汲み、家へ運んでいくことが日課だ。

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力仕事に向かない高齢者は、子守などをして家族を手伝う。

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村の主役たちは、なんといっても女性たちだ。
ヒンドゥー教徒の彼女たちは色鮮やかな衣服を纏い、農業に家事にと精を出す。

グルカの故郷では稲作が行われている。
年中、ここで穫れる米とカレーが彼らの食事だ。ハレの日には肉を食べることもある。

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大切な財産である牛に草を食べさせることも欠かせない。

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忙しい日々の中で、楽しみはみんなで集まってのおしゃべりだ。
そこかしこに大小さまざまな集団ができ、飽きることなく楽しそうに話し続ける。
彼女たちの警戒心は薄く、レンズを向けると笑顔を向けてくれたり、近くへ来いと呼び寄せてくれることもある。

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旧日本軍も恐れたという勇猛なグルカ兵たちだが、その故郷は穏やかな魅力で溢れていた。