品質の高い国内クラウドを適材適所で使う
国内クラウドには、品質的なメリットもあります。データセンターが国内にあることで、アクセス回線の通信が近距離で済むため、レイテンシー(遅延)が少ない通信ができます。また、国内のデータセンターとの間であれば、インターネットを介することなく低コストで専用線による閉域接続も可能です。日本の事業者の高い品質のマネージドサービスを利用できることもメリットになります。
Neutrix Cloud Japanが提供するクラウドサービスも、国内クラウドの1つです。国内に資本がある事業者(Neutrix Cloud Japanは関西電力系の通信事業者オプテージの100%子 会社です)であり、データセンターは国内に設けています。データのサイロ化やロックインを排除した中立的なクラウドサービスを提供していることと併せて、データの民主化と安全保障を実現するための国内クラウドとして有効に活用していただけます。
もちろん、国内クラウド、海外のクラウドといっても、はっきりした境界を設けるのは難しいものです。また海外のハイパースケーラーのクラウドサービスには、使い方によっては、コストメリットやスケールメリットがあることも間違いありません。一方で、国際情勢に起因する安全保障といった大きな変化だけでなく、買収による運営方針の変化や、ライセンス体系の改定などのリスクもあります。
すなわち1つの基盤に頼り切るとリスクが高くなるのです。複数のクラウドを併用するマルチクラウドやマルチベンダー体制を整え、用途によって使い分けたり、技術的に複数のサービスに対応できるようにしたりすることがリスクヘッジになるでしょう。その選択肢の1つとして、重要なデータを扱う部分には国内クラウドを選択することが、これからは一層重要になっていくと考えています。