佐々木隆仁

佐々木隆仁

東京の眺望。象徴的なタワーが並ぶ。恵比寿ガーデンプレイスにて撮影。

(写真:佐藤秀明

「2025年の崖」に落ちないための
DXソリューションを考えよ

既存のシステムが立ち行かなくなる「2025年の崖」までの残り時間が少なくなってきている。一方で、このままでは危険だと思いながらも、具体的な手を打てていない企業が多い。データ復旧の老舗AOSテクノロジーズの代表取締役社長を務める佐々木隆仁氏は、従来型のITシステムからDXプラットフォームの活用へと舵を切る必要があると指摘する。そこで最も重要なのが「データ」の取り扱いだ。

Updated by Takamasa Sasaki on March, 25, 2022, 8:50 am JST

――DXの必要性が様々な場面で説かれています。DXの必要性を語るとき、日本が置かれた状況をどう見ていますか。

佐々木氏:AOSグループのAOSデータでは、産業に合わせたDXプラットフォームをAOS IDXとして提供しています。もちろん、このAOS IDXをプラットフォームとして導入したからといって、「明日からDXできる」というわけではありません。それでもDX推進に真剣に取り組むとしたら、AOS IDXのようなDXプラットフォームを使って2025年までにすべてのシステムを刷新しないとだめだと考えています。

経済産業省は、ITシステムに「2025年の崖」が到来すると指摘しています。複雑化、老朽化、さらにブラックボックス化した既存ITシステムにより、国際競争への遅れや経済停滞が生じ、崖に落ちるというのです。あと3年です。崖に落ちない方法を考えなければなりません。

その方法がDXです。しかし、DXに向けてこれからシステムインテグレーション(SI)していたら間に合いません。崖が到来するのは、これまで各社がてんでバラバラにカスタマイズしたITシステムを発注し、それをITベンダーが作り上げていたからです。日本の全産業は個別にITシステムを使ってきているので、世界に目を向けたメガプラットフォームとは戦えないのです。

中央アジアの大地
中央アジアの大地。地平線が空と溶け合っている。

「失われた30年は、ITをうまく使いこなせなかったことに起因します。」「2025年の崖に落ちるからITシステムを見直します。」いずれも総論としては正しいです。でも実際にどうするかの答えは提示していません。今使っているITシステムを使い続けたら未来がないわけです。そして全産業でどのように刷新するかも考えなければなりません。そこには即日導入でき、カスタマイズしないで使えるSaaS(Software as a Service)形式のソリューションしか答えはないと考えています。だからこそAOSグループでは、産業別のDXソリューションをSaaS形式で提供しているのです。