髙橋 信久

髙橋 信久

ラスベガス郊外にある巨大アート。巨木のような作品が立ち並んでいる。ふもとには人が見える。

(写真:佐藤秀明

二次利用こそが新たな価値を生む 

DXの要はデータの活用である。しかし、基盤を用意したところで安心してしまいがちな日本企業は、ここに複数の課題を抱える。データ活用のために本当に重要なことと課題解決方法について、Neutrix Cloud Japanの髙橋信久CTOが解説する。

Updated by Nobuhisa Takahashi on March, 31, 2022, 8:50 am JST

データの一時利用だけでなく二次利用、三次利用を考える

データをどのように活用していくかは、企業や団体の頭の使い所だ。ビジネスや事業の持続可能性を高めるためには、課題を明確にして解決のための手段を考える。そうした中で、文化や組織、業務の変革とともにデータの活用が検討の対象になる。ただデータをいじくり回せば、新しいビジネスが生まれてくるわけではないからだ。

一方で、いざデータを活用する必要が出てきたとき、その時点からデータを集めていたらリードタイムもコストも膨大なものになってしまう。データをもれなく蓄積しておくことは、これからいつ来るともわからないDXのタイミングで、スムーズにデータ分析を可能にするための要件になる。

データの2次利用、3次利用を可能に
Neutrix Cloudなら、データの二次利用、三次利用が容易になる。

クラウド接続ストレージ「Neutrix Cloud」を提供するNeutrix Cloud Japanは、設立当初からこうしたデータ蓄積への課題に1つの提案をしてきた。それが、「データの二次利用、三次利用」というコンセプトである。クラウド接続ストレージとは、古くからの概念で言えばオンラインストレージに近い。その用途の多くは、BCP(事業継続計画)やDR(災害復旧)のためのバックアップだろう。有事に活用するデータを遠隔地で取り溜めておくイメージである。

クラウド接続ストレージは、オンプレミスのシステムのストレージだけでなく、パブリッククラウドとも連携して、データをバックアップすることが可能だ。クラウド接続ストレージにデータをバックアップしておくことで、一時利用としてのバックアップが実現する。システムがオンプレミスにあってもクラウドでも、データがクラウド接続ストレージにまとめて蓄積される。頻発する災害への対応はもちろん、猛威を振るうランサムウェアなどの標的型攻撃への対応でも、クラウド接続ストレージへのバックアップは力を発揮する。万が一稼働中のデータがロックされてしまっても、クラウド接続ストレージのバックアップから復旧すれば事業を継続できる可能性が高まる。

こうしたメリットがあるクラウド接続ストレージへのバックアップだが、これは一時利用の世界であり、さらに二次利用、三次利用をしていくことがNeutrix Cloudの提案だ。クラウド接続ストレージにバックアップしたデータを、データ活用のためのプラットフォームとして利用するのだ。最初の目的はバックアップであっても、事業を進めていく上で必要なデータをクラウド接続ストレージに蓄積しているうちに、将来のデータ活用の基盤が作れる。二次利用、三次利用まで考慮に入れると、データをクラウド接続ストレージにバックアップすることの価値が何倍にも膨らむことがわかるだろう。