髙橋 信久

髙橋 信久

ニューヨークで1966年から1969年の間に撮影。ベトナム反戦デモの様子。戦争という悪魔に戦闘機が向き合っている。
当時、ニューヨークのあちこちでこのようなデモが開催された。写真家は『ヴィレッジヴォイス』に掲載された情報を頼りに現場へ向かっていた。

データを守りながら活用する方法

データを用いて事業に取り組むためには、当然であるが集めたデータを安全かつ活用しやすい状態で保有しておかなければならない。そのためにすでにハイパースケーラーのサービスを利用している人もいるだろう。しかし、それは使い方に沿った選択になっているだろうか。Neutrix Cloud Japan の髙橋信久氏が、データを守りながら活用するのに最適なストレージについて解説する。

Updated by Nobuhisa Takahashi on February, 1, 2022, 8:50 am JST

ハイパースケーラーとの3つの違い

ハイパースケーラーのパブリッククラウドと、Neutrix Cloudが提供するクラウド接続ストレージおよびクラウドサービスの間の違いについても、ポイントを絞って説明しておきたい。差異化のポイントは3つある。(1)ストレージとしてのコスト、(2)IaaS(Infrastructure as a Service)としての機能、(3)マルチクラウドへの適用――である。

ストレージとしての用途では、AWS、Azure、GCPを使っているけれど、それぞれの会社の従量課金に苦しめられているというユーザーには、Neutrix Cloudのサービスのメリットが感じられるだろう。ハイパースケーラーのサービスでは、「コストが月末にならないとわからない」「予算を超えたり、逆に使いきれなかったりする」ということが多く、困っているケースが少なくない。Neutrix Cloudのクラウド接続ストレージサービスは、クラウドサービス月額固定料金で提供しているため、そうしたコスト面での問題が発生しにくい。ストレージコストが高くついているユーザーには、Neutrix Cloudのクラウド接続ストレージを検討してもらいたい。

Neutrix Cloudが提供するクラウドサービスをIaaSとしての側面で見ると、ここでもハイパースケーラーのIaaSとの違いが見えてくる。ハイパースケーラーのIaaSはインスタンス方式を採用しており、仮想サーバー当たりの料金が設定されている。AのサーバーとBのサーバーのインスタンスを購入していることになり、これは物理サーバーを買っているときと変わらない。将来どのぐらいのメモリーやリソースを使うかわからず、余裕を持って購入せざるを得ないのだ。結果として、多くのユーザーがリソースの15%から20%程度しか使っておらず、使わないものにコストを払っている。

一方で、Neutrix Cloudはリソースプール方式で提供している。一定量のCPU、メモリー、ディスクを定義したリソースプールの範囲内で、仮想マシンを自由に設定可能になる。AとBのサーバーの間で、余ったリソースを共用できるため無駄なコストがかからずに済む。

リソースプール方式
無駄なコストのかからないリソースプール方式

マルチクラウドへの適用は、すでに繰り返してきた内容と重複するが、多くのユーザーが「マルチクラウドではデータの置き場所が大事」ということを理解するようになってきていると感じている。複数のパブリッククラウドやプライベートクラウドをまたいでDX基盤を作るには、それらの間をデータが自由に行き来でき、自在に蓄積できることが必要だ。マルチクラウドの世界観を具体化していこうとすると、パブリッククラウドやプライベートクラウド、オンプレミスから当距離にあるストレージとしてのNeutrix Cloudの価値に気づくだろう。マルチクラウド化を推進し、同時にデータの主権を自分たちの手元に置き続けられるようにすることを、日本国内で引き続き啓蒙していかなければならないと感じている。

データ主権を保ちながら企業価値を高めるクラウドサービス