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(写真:anetapics / shutterstock

新入社員を迎えた人に読んでほしい論考10本

2023年の春も多くの組織が新入社員を迎え入れたことでしょう。「若い人が考えていることがわからない」、「ハラスメントになるのが怖くて指導が難しい」、「組織に馴染もうとしない人にどう声をかけるべきか」。そんなお悩みをお持ちの皆さんにお読みいただきたい論考を集めました。

Updated by on April, 4, 2023, 5:30 am JST

有能だと思われたいのか、いい人だと思われたいのか、それが問題だ
上司として、先輩としてふるまうとき、あなたはどんな評価を得たいですか? 実は心理学的に考えると「有能だ」という評価と「いい人だ」という評価はトレードオフのよう。日本においては後者の方がちょっぴり得かもしれません。

成熟した人間は、他人の助けを上手に借りて、人間関係のなかで生きていくことを楽しめる
そもそも「働く」とはどういうことなのか、名作「魔女の宅急便」に学びます。「自分の才能を信じて、自分の殻に閉じこもることでもなければ、他人と比べて一喜一憂して、自分を見失うことでもない。成熟した人間は、他人の助けを上手に借りて、人間関係のなかで生きていくことを楽しめるのである」。他人を頼ることは決して悪いことではありません。

日本のIT産業は、もっと自らの付加価値をつけたオリジナルなものを作らなければならない
IT産業が成長していくためのヒントが詰まったインタビュー記事ですが、その他の産業においても多いに役立ちます。成長のために「グローバル」という言葉に惑わされず、日本の実情を鑑みたオリジナルな戦略を考えていくこと。もしかしたらその種は、「グローバル」に毒されていない新人たちのなかに眠っているかもしれません。

リスクのある「実験」を社会の中で行うべきか
「人の成長のためには、失敗が不可欠だとはわかっているけれど……」。どうしても失敗が許されないシーンもありますよね。数多の科学実験がそうです。ロケットは無限に打ち上げられませんし、医療行為はミスが許されません。では、どのように新人を育てていけばいいのでしょう。科学技術社会学から「学習の方法」を紹介します。

コピペは勉学の重要な方法である
新入社員にレポートを「宿題」として出す企業もあるでしょう。今年の新人は……やるでしょうね、chatGPTによる作文を。けれど、それを書き写してしているのであれば、非難する必要はないかもしれません。理由は表題の通りです。

イノベーティブさが株価を下げる!?クリエイティビティの功罪
新入社員にワークショップなどを行い、新たなアイディアを出させる組織も少なくないでしょう。キラリと光るアイディアもあるでしょうが、現場で数をこなしてきた社員にとって、その多くは「使えない」ものであるはずです。でもちょっと待って。それはダメなアイディアではなく「クリエイティビティが高すぎる」だけかもしれません。受け入れる側の態度をあらためてみましょう。

銃を降ろさせるための仕事、相互理解のための共同作業。武装解除のプロに聞く、平和の取り戻し方
どうしても組織に馴染まない人がいるときは、無理に対話をさせるのではなく、共同作業の場を設けてみてはいかがでしょうか。壮絶な過去を経て憎しみ合っている人ですら、共同作業によって少しずつ相手のことをわかりあえるようになっていくのです。みんなでランチを作ってみる日があってもいいかもしれません。

人間のシミュレーションなんてたかが知れている
「どうしてこんなこともわからないんだろう」「普通に考えればこうだよね」。予想通りに動かない新人に対してそんな思いを抱いてしまう日もあるでしょう。けれど、私たちが頭のなかで思い描いている「シミュレーション」など、大した結果を生まないものがほとんどです。遠回りに見える道を進む「働きアリ」が予期せぬ情報をもたらすかもしれません。

受容性の低い社会では、自動車は人より速く走れない
「自分たちの時代はこうだった」という理由で新しい世代の人々がやることを縛ることはやめた方がいいでしょう。新しい技術が広まった時代には、新しい常識が必要です。これが更新されなければ、私たちの生活はいつまでも原始時代のままです。

人間関係は座敷で再構築される
「新人と腹を割って話したい」というときは座敷が「効く」かもしれません。そもそも座敷は誰もが平等に過ごすために作られた空間であるからです。リアルな空間で会って話す機会に恵まれたなら、関係性構築のための場所選びも考えてみてはいかがでしょう。